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これまでのコラムでは、「ライフプランノートの作成」でこれまでの人生を振り返り、また、これからの人生について考えることの重要性やその内容について述べてきました。
ここからは、「ライフプラン」の作成過程で「あなた」の希望実現のために必要となってくる法的効力のある書類や契約書について、詳しく解説していきます。
第1回目は「遺言書」です。
はじめに、「遺言書」と似て非なるものに「遺書」があります。「遺書」とは、死後に家族や大切な人に向けて自分の思いや感謝、謝罪などを伝える私的な文書で、法的効力はありません。「あなた」の財産に関すること(相続の配分の指定や、遺贈に関すること など)は、「遺書」に記載しても法的効力がないため、実現できないことがあります。
そこで、「あなた」の想いを実現するために必要になるのが「遺言書」です。
「遺言書」には、代表的なものとして「自筆証書遺言書」と「公正証書遺言書」があります。
「自筆証書遺言書」は、字のごとく「自分で書く」遺言書です(財産目録など一部はパソコンなどで作成することが可能です)。
ご自分だけで、遺言書を比較的手軽に、また、低コストで作成することができますが、様式や決まり事が厳しく、せっかく「自筆証書遺言書」を作成しても、様式に則していないため無効な遺言書となるおそれがあります。「無効な遺言書」と判定されると、「あなたの想い」は実現されないことになります。そのような事態を避けるためには、行政書士等の専門家のアドバイスを受けて作成した方が良いと思われます。
また、「自筆証書遺言書」を作成しても、「あなた」の死後、発見してもらえなかったり、紛失・偽造・改ざんなどのリスクもあります。このようなリスクに対応するために、信頼できる親族などに遺言書の存在・保管場所を公表しておくこと(内容の公表は控えたほうが良いでしょう)が挙げられますが、リスクを完全には排除できません。法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用するなどの方法もあります。
他には、「自筆証書遺言書」は発見された後、すぐに内容実現に動けるわけではなく、家庭裁判所に検認(遺言書を証拠として保全する手続です。遺言書の有効・無効を判定するものではありません。)を請求しなくてはなりません。(法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用した「自筆証書遺言書」は、この検認は不要です。)検認を請求したとしても、遺言書が必ずしも有効なものと判定されるわけではなく、無効となるおそれがあります。また、遺言内容実現のスピード感という面では劣ると言わざるを得ません。
次に、「公正証書遺言書」です。
「公正証書遺言書」は公証役場(公証人)に遺言書を公正証書として作成してもらうものです。
「あなた」の想いを、公証人と証人(2人)の前で口述し、文書にする手続です。公証人の公証が得られますので、「遺言書」としての信頼性が高まります。また、「公正証書遺言書」は先述した検認手続が不要です。そのため、遺言内容の実現という面ではスピード感があるといえます。
しかし、作成のための手間(戸籍謄本等の収集や公証役場への訪問 など)やコスト(公証役場手数料や証人への謝礼 など)がかかるというデメリットもあります。
また、公証人や証人の前で遺言内容を口述しますので、内容を秘密にしておきたいという方には、おすすめできません。(そのような方は、秘密証書遺言という方法もあります。)
ざっくりとまとめると、「自筆証書遺言書」は、手軽・低コストな反面、様々なリスクもあります。「公正証書遺言書」は、遺言書の信頼性が高まる反面、手間とコストがかかります。ご自分の事情に応じて選択されるのが良いでしょう。
最後に、「遺言書」に記載できる内容には、相続に関することや財産に関すること、家族関係に関することなど限りがあります。その他の想いを書面で残しておきたい場合には、ご自分で手紙としてしたためたり、「ライフプランノート」に記載しておくと良いでしょう。
「あなた」の想いを「遺言書」として残しておくことはとても重要です。絶対に必要とまではいえませんが、以下の場合は、遺言書作成を検討してみてください。
《 遺言書を残しておいた方が良い場合 》
● 法律で定められた相続分と違う配分で相続をさせたい場合
● 財産を遺贈寄付したい場合
● 法定相続人以外の方に財産を残したい場合
● 死後認知をする場合や、特定の相続人を廃除する場合(相続人から除外すること)など、遺族間の揉め事が心配される場合(この場合は、公正証書遺言書を強く推奨します)
当事務所では、
「自筆証書遺言書」作成に関するアドバイスや作成のお手伝い、
「公正証書遺言書」作成に関する公証役場との橋渡しや、必要書類の収集のサポートなど
様々なサポートを全力で行っておりますので、お気軽にご相談ください。
※ 遺言制度は、令和8年6月24日公布の「民法等の一部を改正する法律」により、1年(システム改修を要するものは3年)を超えない範囲で政令で定める日に一部内容が変わります。変更され次第、コラムも改訂致します。